リハビリテーション

経鼻経管栄養のチューブは嚥下に影響する?肺炎を起こしやすいの?

こんにちは!本ブログ「neta-bolt.com」を運営しているリハトレ@training1104です

経鼻経管栄養のチューブはどれくらいの太さなの?

経鼻経管栄養のチューブが入っていると嚥下に影響はあるの?

経鼻経管栄養のチューブが入っていると肺炎になりやすいの?

そんな疑問を解決します。

脳卒中後や喉頭などの癌の術後は食事うまくとることができません。

飲み込みがうまくできないので栄養をどのように確保するのかが問題になります。

一般的には鼻から胃にダイレクトに栄養を注入する、経鼻経管栄養が行われます。

しかし、経鼻経管栄養のチューブのせいでかえって肺炎を起こしやすかったり、嚥下機能をより低下させるなどの懸念があります。

今回は、経鼻経管栄養チューブが嚥下に与える影響と肺炎の発生リスクについて解説していきます。

経鼻経管栄養のチューブの太さはどれくらいなの?

経鼻経管のチューブは一般的には成人の場合は6~10Fr

チューブはフレンチ(Fr  外径1Fr=0.33mm)が太さの単位

1.98~3.3mmくらいですね。

 

経鼻経管栄養のチューブが入っていて嚥下に影響しないの?

経鼻経管栄養は鼻から喉頭そして胃へとチューブが続いています。

健常成人15名平均年齢35歳の人にマーゲンチューブを鼻から挿入した時の嚥下時の違和感や困難感・嚥下時の残留や貯留状態を実験したデータです。

経鼻経管チューブ留置状態での違和感と嚥下困難感

嚥下時の違和感と嚥下困難感を0から10段階で表しています。

当然ですがチューブなしの方は全くありません。8Frと14Frでは細い方が違和感と困難感が少ないことがわかります。

同じ食形態で経鼻経管チューブの太さによる違い

嚥下回数はチューブ留置状態の方が多くなります。しかし、チューブの太さによる違いはありません。

また、その傾向は食物が逆流・残留した人の比率でも同様で、ゼラチン・寒天摂取時にもチューブ留置状態の方が割合が多いです。

同じ経鼻経管チューブがの太さで食形態による違い

太いチューブではサラサラした食物でないと嚥下回数も逆流や残留も起こりやすいです。

なので、経鼻経管チューブは極力細いに越したことはありません。

 

経鼻経管栄養チューブが嚥下に与える影響-嚥下回数,食塊残留・逆流への影響-

 

経鼻経管チューブを除去するとどうなるの?

脳卒中高齢者の経鼻経管チューブを留置中と除去5時間後の嚥下状態をレントゲン透視下(VF)で評価したものです。

Aがチューブ留置中。Bが除去後5時間

赤矢印の部分に見えるのが食物です。咽頭の部分に残留しているのがわかります。

チューブ除去後5時間と短い時間でも、咽頭残留が少なくなるわけですから、チューブ留置は極力避けたいところです。

Effect of an indwelling nasogastric tube on swallowing function in elderly post-stroke dysphagia patients with long-term nasal feeding

 

経鼻経管栄養は肺炎を起こしやすいの?

脳卒中発症24時間以内に経鼻経管チューブを留置した患者を調査した報告では、肺炎発生率は44%であったと報告されています。

脳卒中発症後2〜3日での発症がほとんどだったようです。

脳卒中早期から嚥下障害が疑われる症例に対して、早期からの経鼻経管チューブ留置はケースバイケースのようですね。

Pneumonia in acute stroke patients fed by nasogastric tube

少し古いですが、1996年にランセットに掲載された論文でも同様に、経鼻経管栄養は肺炎のリスクを高めると報告しています。

Use of tube feeding to prevent aspiration pneumonia

また、胃瘻と経鼻経管栄養患者の肺炎発生率の報告では、誤嚥による肺炎のリスクは胃瘻の方が少なかったようです。

また、経鼻経管チューブは鼻からチューブが常時出ているので見た目の問題もあります。

ただ、胃瘻造設は手術が必要となることや倫理的観点があるため、推奨しない人も多くいます。でも、胃瘻の方がその後の栄養状態が改善することは間違いないです。

Percutaneous endoscopic gastrostomy versus nasogastric tube feeding for adults with swallowing disturbances

まとめ

経鼻経管チューブ留置は、肺炎のリスクを高めることは間違いないようです。しかし、経口摂取ができない状態で、その後の栄養経路をどのように確保するのか?そこが問題になります。

もちろん胃瘻をすぐに作ることができれば良いですが、胃瘻は倫理的な問題もあり今は簡単に手術できなくなっています。

その間の栄養経路の確保と嚥下機能の低下をどのように選択していくのかが、難しい判断になります。

脳卒中早期の段階で経口摂取が難しければ、まずは経鼻経管栄養を挿入して嚥下トレーニングを進める方法が良いでしょう。できるだけ経鼻経管栄養は細いチューブを使用した方が嚥下時の違和感や困難感は少ないです。

そこで、肺炎などの合併症が出現したら抜去する。合併症がなければ嚥下状態に応じて経口摂取を追求する方法が無難だと思います。

 

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