リハビリテーション

リハビリ技士・トレーナーのための心電図の読み方ー12誘導編ー

こんにちは!本ブログ「neta-bolt.com」を運営しているリハトレ@training1104です

心電図って難しいよね!

心電図って色々出ているけど実際どれを読めばいいの?

そもそも、これで何がわかるの?

そんな疑問を解決していきます。

心電図って病院にいると身近に感じますが、リハビリテーションの技士やトレーナーでも意外とほとんど意味がわかっていない人が多いんです。

まずもって心電図の波形ばかりを気にしてしまいがちですが、心電図の誘導や軸偏位・移行帯という考え方自体を知らない人が多いですよね。

今回は、心電図の12誘導と軸偏位・移行帯についてわかりやすく解説していきます。

 

心電図の電極と12誘導について

心電図を取るときに両腕と両足につけるクリップのようなものが「肢誘導」と言います。

胸につける6個の吸盤は「胸部誘導」と言います。

 

 

 

 

 

 

心電図は全部で12誘導あります。肢誘導はⅠ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVFの6つの誘導を表し、胸部誘導はV1・V2・V3・V4・V5・V6を表します。

心電図では、左側が肢誘導6個の波形と左側が胸部胸部誘導6個の波形が示されます。

12誘導と心臓の電気信号の関係

肢誘導は心臓を正面から見た状態で心臓の中心からの電気信号を評価しています。

胸部誘導は心臓を下から見た状態で、それぞれの胸部誘導の方向の電気信号を評価しています。

モニター心電図はⅡ誘導を一般的に使用します。

 心電図から障害部位を読み解く

心電図の誘導の方向と異常信号がわかれば、心臓のどの部位に問題があるのかを解釈することもできますね。

心電図誘導と責任部位

Ⅱ・Ⅲ・aVF 左室下壁 右冠動脈(RCA)
V1〜V4 左室前壁(心室中隔) 左前下行枝(LAD)
Ⅰ・aVL・V5・V6 左室側壁 左回旋枝(LCX)

 

 

肢誘導で見るべきポイントー電気軸の偏位ー

心臓は電気の流れで動いています。通常は右上の右房から電気信号が発信され心臓の下の方(左右心室)へと電気が流れていきます。

その電気の流れが右側に偏った流れをするものを「右軸偏位」左側へ偏った流れをするものを「左軸偏位」といいます。

アイントーベンの正三角形

QRS平均電気軸は、正常で0°から90° 左軸偏位で0°以下 右軸偏位で90°以上です。

高度の左軸偏位(-30以上)は、左室肥大・左脚ブロック・左脚前枝ブロック・下壁梗塞でも左軸偏位になる事があります。

高度の右脚偏位(+110以上)では、滴状心・右胸心・右室肥大・肺性心・右脚ブロック・左脚後枝ブロック等で認められています。

心電図の波形から軸偏位を見る方法

 

Ⅰ誘導とaVF のQRS(特にR波)がプラスか?マイナスか?で見分けることができます。

 

胸部誘導で見るべきポイントー移行帯ー

心臓を下から見たときにどの方向に電気信号が回転しているかを見ます。

胸部誘導のV1~V6を見ていきます。R波とS波の高さが等しくなる誘導を見ます。それがどの誘導で出現するかで時計回り軸なのか?反時計回り軸なのか?を評価していきます。

正常であればV3・V4で移行帯が出現します。

V5・V6は時計軸回転=慢性肺疾患、左室肥大、前壁梗塞が考えられます。

V1・V2は反時計回転=右心負荷、後壁心筋梗塞などが考えられます。

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まとめ

心電図は12個の誘導があって、それぞれで心臓のどの方向からの電気信号を評価しているかで違いがあります。

心電図の紙の左側(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・aVR・aVL・aVF)が肢誘導、右側(V1-V6)が胸部誘導になります。

肢誘導は心臓を前から見た状態での電気信号を方向を評価していて、胸部誘導は心臓を下から見た状態で心臓の中心から胸部誘導の方向の電気信号を評価しています。

電気軸の偏位はⅠ誘導とaVFのQRS波形で評価し、心臓の左右の電気心臓の異常を見ることができます。

移行帯は胸部誘導のR波とS波がプラスとマイナスの成分が等しくなる誘導で評価できます。それがV1寄りで心臓の右側や後壁、V6寄りで心臓の左側や前壁の障害を予測することができます。

心電図の波形だけでなく、誘導や軸偏位・移行帯を理解するとより心臓の障害を的確に捉えることができるようになりますね。

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