回復期リハ病棟ではFIMを使って評価することが一般的ですよね。
でもFIMの点数で具体的に患者像をイメージすることできないので、実務的には使いづらかったりしませんか?
今回は、FIMの認知項目とMMSEの点数換算について解説していきます。
FIM cognitiveとMMSE-Jの点数換算(r = 0.58)
MMSE-J24点以上→FIM-C25〜35点
MMSE-J20〜23点→FIM-C15〜25点
MMSE-J19点以下→FIM-C5〜15点回リハではFIMをベースに評価するけど、実務的にはMMSEの方がイメージしやすい。点数換算ができれば多職種でも共有しやすいかと
— MoriDai@ヘルステックイノベーター (@moridai1104) October 18, 2024
FIM認知項目とMMSE-Jの関係について
FIM認知項目とMMSE-J(簡易知能テスト日本版)には、点数の直接的な換算方法は確立されていません。これは、両者が評価する内容が異なるためです。
FIM認知項目は、認知機能だけでなく、社会的な認知機能や他者との相互関係も評価の対象としています。そのため、FIM認知項目のスコアはMMSE-Jのスコアと完全に一致するわけではありません。
しかし、FIM認知項目とMMSE-Jの間には中程度から強い正の相関(r = 0.58)があることが示されています。この相関は、両者が認知機能を評価する際に一定の関連性があることを示唆しています。
このように、FIM認知項目とMMSE-Jは異なる側面を評価しながらも、認知機能の理解において重要な指標となります。両者を適切に活用することで、より包括的な認知機能の評価が可能になるでしょう。
FIM認知項目とMMSE-Jの点数の比較と解釈
点数範囲
- FIM認知項目: 5〜35点
- MMSE-J: 0〜30点
点数の傾向
- MMSE-Jが24点以上(正常)の場合: FIM認知項目は比較的高得点(25〜35点程度)になる可能性が高いです。
- MMSE-Jが20〜23点(軽度認知障害)の場合: FIM認知項目は中程度(15〜25点程度)になることが考えられます。
- MMSE-Jが19点以下(認知症の可能性)の場合: FIM認知項目は低得点(5〜15点程度)になる可能性が高いです。
まとめ
以上の点を考慮すると、FIM認知項目とMMSE-Jの点数を直接換算することは少々疑問が残りますね。両者は異なる側面を評価しているため、それぞれの点数を独立して解釈することも必要でしょう。
なので、総合的に患者の認知機能を評価することが重要です。
ただ、この知識は実務においても役立ち、多職種で患者像をイメージすることに役立つでしょう。
引用文献
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