リハビリテーション

長期臥床は筋力低下だけではない!心拍数・自律神経系・皮膚にも影響

こんにちは!本ブログ「neta-bolt.com」を運営しているリハトレ@training1104です

ベッド上で安静にしているけどこれって大丈夫なの?

寝ているだけでどんどん弱らないの?

そんな疑問を解決します。

入院しているとベッドの上で1日中過ごしてしています。

ベッドの上で生活しているわけですからどうしても横になってしまいますよね。

ベッド上で横になっている時間が長いとどのような影響があるのでしょうか?

今回はベッド上で臥床時間が長いと筋肉や心拍数・自律神経系・皮膚への影響について解説していきます。

 

筋肉や骨への影響

42日間の安静後で、最大筋力は25〜30%減少しました。1週間あたりでは4〜5%の減少に値します。

MRIで大腿四頭筋の断面積を計測すると14%減少して、筋の神経入力の低下が疑われる。

Lower limb skeletal muscle function after 6 wk of bed rest

骨密度を調査した、90日間連続で臥床状態になる実験では、腰、骨盤、および踵で統計的に有意な損失が月平均1%でした。

Skeletal Effects of Long-Duration Head-Down Bed Rest

 

ただ単に筋肉がやせ細る出来でなく、筋肉に電気信号を伝達する神経自体の反応性が乏しくなっていることも考えられますね。

 

自立神経系への影響

頭を下げて寝た姿勢(-6°)で45日間過ごす研究を紹介します。

皮膚汗なかき方交感神経の興奮性を測定する、ガルバニック皮膚反応試験(昔は嘘発見器をして使用されていた)での結果では、寝ている期間が長くなるにつれて反応が悪くなることがわかりました。

しかし、悪くなるのは安静20〜32日くらいまでですね。そこからは少し回復していくことがわかります。

心拍数の変化

心拍数は実験前と比較すると安静20日までは心拍数は少なくなっていますが、徐々にもとに戻っています。

皮膚の反応や自律神経系の反応は、安静臥床状態では一旦は低下傾向になりますが、その状態に適応する反応がみられ徐々に改善していく傾向にあります。

しかし、日常生活の状態と比較すると低下していることがわかります。

Effects of prolonged head-down bed rest on working memory

 

注目するべきは安静前と比較すると全体的に皮膚反応も心拍数も低下していきますが、

20日までが低下の角度が急です。そこから徐々に元に近づいてきます。

人は環境に適応しようとして徐々に慣れていくことがわかりますね。面白いものです。

 

バランス機能への影響

安静はバランスを悪くすることは間違いありません。14〜60日間の安静で確実にバランス能力は低下します。

筋力や神経系も低下するので当たり前といえば当たり前ですよね。

The effect of bed rest on balance control in healthy adults: A systematic scoping review

まとめ

入院しているとベッド上での安静が必要なことがあるかと思います。

今回紹介した内容は、頭を下げた状態で寝ていることが皮膚反応や心拍数・骨格筋の萎縮に影響することを説明しました。

ベッド上で安静にする必要があっても頭を極力あげている状態(ベッドをギャジアップ)を維持することが必要でしょう。

そして、寝ている状態でも良いので四肢を動かす運動を取り入れることが骨格筋の低下を予防することに繋がります。

リハビリ技士がただベッド上で可動域運動をしていても全く意味がないことがわかりますね。

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