ナースコールなりすぎでイライラする!
ナースコールって1日に何回鳴ってるの?
そんな疑問を解決します。
とある回復期リハビリテーション病棟でのナースコールの回数を調査したものです。
過去2年くらいの膨大なデータを集計しています。
月別ではどのような傾向にあり、1日あたり何回鳴っていて、時間帯ではどこに多いのかを詳しく調査されています。
今回は回復期リハビリテーション病棟でのコール回数についての詳しく解説していきます。
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ナースコールとは
最近はスタッフコールとも呼ばれることがあります。
それはナースだけを呼ぶためのものではなくそこで働いているコメディカルを呼ぶためのものなので、スタッフと呼び名が変化しています。
なので、回復期リハビリテーション病棟では看護師の他ケアワーカーやリハビリ技士が多く在籍していますので誰でもコールを取る必要があるでしょう。
しかし、現状はナースやケアワーカーが中心でリハビリ技士はほとんど取ることがないです。
それは、リハビリ技士の診療報酬体系にあります。
リハビリ技士は20分間マンツーマンで患者とリハビリを実施して初めて診療報酬が請求できることになるからです。
回復期リハビリテーション病棟58床での平均です。病床稼働はほぼ満床で運用していた時のデータです。
ナースコールは、手元のコールボタンの他、安全性対策としてのセンサーマットのコールなども含まれています。
某病院の月別コール回数
1月に約30,000回のナースコールが鳴っていることがわかります。
1日あたりでは約1,000回です。
1時間当たり41回のナースコールが鳴り、1分当たり0.7回のナースコールが鳴る計算になります。
1分半に1回のナースコールが鳴るわけですから相当大変です。
その時入院している患者層により大きく変動があることがわかる。少ない時は20,000回を割るのに対して多い時には30,000回以上になる。
患者層やスタッフ数に対してのコール回数を分析が必要です。
某病院の時間帯別コール回数
青は日勤帯でオレンジは夜勤帯です。昼食後の13-14 夕食後の16-17 朝食前の6-7 就寝前の19-21にコールが集中していますね。
食事前後と就寝前のトイレのコールが多いことが予想されます。
ナースコールは多くのことと関係している
看護師業務との関係
コールが鳴り続けて、業務が全く進められないことが起こります。
最近の看護師さんていつもパソコンを打っていると思いませんか?
看護師業務は、医学的処置の補助以外にもカルテ記載などの業務が圧倒的に多いと言われています。
なので患者さんと接する時間よりもパソコンを打っている時間の方が長くないと、業務が終わらないのです。
つまり、ナースコールが鳴りまくると全く仕事ができないことになります。
患者の安全性との関係
ナースコールが患者にとっては必要不可欠。
しかし、看護師さんが忙しいことは患者だってわかっています。それにより気が引けて呼ぶことを躊躇していまう患者さんも少なくありません。
具体的にはトイレに行くたびに看護師さんを呼ぶのが心苦しく、飲水を控えているなどをしている患者さんをたびたび見かけます。
飲水料が少なくなることは高齢者にとっては大変危険なことなのです。
病院の環境のせいで患者の飲水料へも影響するのですから、病気の治療に専念できる環境整備をすることは病院運営には必須ですよね。
また、自分でナースコールを押せない患者さんは安全性対策として、センサーマットなどで転倒や転落事故を予防しています。
なので、ナースコール=転倒予防の患者さんがいるのも現状です。
むやみにナースコールを少なくすることは患者さんの転倒リスクを高めることになりますので注意が必要です。
患者の倫理との関係
前述したようにナースコールと安全性は重要な関係にありますが、同時に患者の動きを制限し自由を奪う「抑制」という考えも考慮する必要があります。
抑制は、患者の自由を奪うだけでなく精神心理面への強く影響し、高齢者では認知機能やせん妄症状が悪化する報告があります。
まとめ
ナースコールは病院運営には必要不可欠。ナースコールは多くのことと関係している。
看護業務や患者への安全性や倫理などを考慮する必要がある。
むやみにナースコールを少なくする取り組みではなく現状をしっかりと把握した上での対策が必要。